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<公判停止>殺人罪被告が自殺図り10年 佐賀(毎日新聞)

 佐賀県で97年に起きた看護師殺害事件で殺人罪などに問われ、佐賀地裁で無期懲役の判決を受けた被告の控訴審が開かれないまま、6日で10年になる。1審判決後、被告が拘置所で自殺を図り意識が戻らなくなり、公判が停止されたためだ。制度上、公判停止前の判決を確定させることはできず、このまま意識が回復しなければ、1審判決が無効になる可能性もある。被害者の遺族は「裁判ができないなら、1審判決を確定させてほしい」と訴えている。【和田武士】

 事件は97年11月26日に起きた。1審判決などによると、無職、樋渡大輔被告(33)=佐賀県塩田町(現嬉野市)=が以前入院していた病院の看護師、岩崎真知子さん(当時23歳)=佐賀県嬉野町(同)=を呼び出して、乗用車内で首を絞めて殺害。遺体を車で長野県まで運び、山中の物置小屋に遺棄した。

 被告側は殺害の事実を認めたうえで「心神耗弱状態にあった」と主張し、佐賀地裁が完全責任能力を認めて99年3月に求刑通り無期懲役を言い渡すと、福岡高裁に控訴した。

 ところが関係者によると、樋渡被告は控訴後の99年5月に福岡拘置所の独居房で首つり自殺を図り、後遺症で意思表示ができなくなった。高裁は00年6月6日に「低酸素脳症による意識障害などのため出頭できない」として公判停止を決定。

 岩崎さんは樋渡被告から女性問題について相談されていた。地裁は「親切心から行動をともにしていた何の落ち度もない被害者を殺害した」と認定した。岩崎さんの父澄雄さん(70)は「判決だけが救いだった。このまま被告が回復せず1審判決がなくなるのは耐えられない」と複雑な胸中を明かす。樋渡被告は判決前に1度だけ謝罪の手紙を送ってきたが、信じることはできなかった。「そんなことになったら娘に何と報告していいのか分からない」と無期懲役の確定を求めている。

 ◇ことば 公判停止と公訴棄却

 刑事訴訟法314条は「被告が心神喪失の状態だったり、病気で出頭できないときは公判を停止しなければならない」と規定。被告が死亡した場合などには、裁判所は決定で公訴を棄却しなければならないが、それまでに言い渡された判決は無効になる。東京高裁では、被告の精神疾患を理由に、殺人事件の公判が81年から中断しているケースもある。

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by rnnkw36n2o | 2010-06-07 16:59